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【プロが解説】Mrs. GREEN APPLE「僕のこと」の歌い方と高音の出し方

高音が出ない悩みを解決する3つのポイント

こんにちは。クラッチ大宮校チーフインストラクター、CCAアカデミー長のハラです。

カラオケでMrs. GREEN APPLE(ミセス)の曲を歌う際、「友人のように高い声が出ない」「ミセスのような透き通った発声ができない」と悩んだことはありませんか。
(カラオケのやけにうまい友人って必ずいますよね笑)
とくに『僕のこと』は、数あるJ-POPのなかでも音域が非常に広く、リズムも複雑なため、プロの目から見てもトップクラスに難しい楽曲といえます。
しかし、発声の切り替えポイントやリズムの取り方を知ることで、喉を痛めずに気持ちよく歌い上げることが可能です。
この記事では、ボイストレーナーの私が『僕のこと』をスムーズに歌いこなすための具体的なコツを解説します。

「僕のこと」 Mrs. GREEN APPLE
作詞/作曲/編曲: 大森元貴
 (C) 2018 by Universal Music LLC


ミセス「僕のこと」が難しい理由と攻略法

この曲を攻略するためには、いきなり細かいメロディーの練習に入る前に、全体を通した「ルール」を作ることが大切です。
まずは、歌い方の土台となる3つの原則をお伝えします。

1. 自分に合ったキーを探す

歌えるようになるために一番大切なのは、原曲キーにこだわりすぎず、自分に合ったキーを探すことです。

『僕のこと』は最高音が非常に高く、地声、裏声、ミックスボイスをまんべんなく行き来します。
そのため、原曲のまま無理をして歌うと喉が締まり、曲本来の美しいメロディーや言葉の響きを表現する余裕がなくなってしまいます。

私自身、この曲を練習したての頃は音域の広さに混乱しましたが、
キーを2〜3つ下げて「無理をしなくても歌える状態」を作ったことで、初めて曲の細かなニュアンスを理解できました。
まずは自分が一番楽に声を出せるキーに設定し、メロディーを丁寧になぞることから始めてみましょう。

慣れてきてから、すこしずつ原曲キーに近づければ、難易度が一気に下がりますよ!

2. 「行進曲」のリズムを意識する

2つ目のポイントは、曲全体を通して「行進曲」のリズムを意識することです。

この曲はテンポがゆったりとしているため、言葉をすべて滑らかに繋げて歌ってしまいがちです。
しかし、実は「強・弱・強・弱」という表拍(強い拍)をベースにした行進曲のようなリズムが隠れています。

言葉の頭にやや強めのアクセントを置き、自分でリズムを刻むように歌うことで、原曲の持つ立体的なグルーヴ感にぐっと近づきます。

3. 息を吸いすぎず、あごを柔らかく保つ

高音を出すために、息を胸いっぱいに吸い込んでしまうのは逆効果です。

サビ前などで息を大きく吸いすぎると、首回りや喉に余計な力が入り、結果的に高音が苦しくなってしまいます。
Aメロを歌うときと同じくらいの、自然な吸気量で十分です。

また、音域が広い曲では、高い音を出そうとするあまり「あご」が固まりがちです。
あごに力が入ると声が上に抜けなくなるため、常にあごを柔らかく保ち、自由に動かせる状態を意識するのがコツです。


【Aメロ】言葉を区切る、語りかける

ここからは、セクションごとの具体的な歌い方を解説していきます。
出だしのAメロは、独り言のように優しく入るのがポイントです。

言葉の「切る」と「つなげる」を使い分ける

冒頭の「僕と君とでは何が違う?」というフレーズは、言葉の区切り方が重要になります。

裏声
ミックス
アクセント
ウィスパー
⤴しゃくり
⤵フォール
/区切り

ぼくときみと⤵では/にがちが〰
おんなじ/いき⤵もの〰さ わかってる

すべてを滑らかにつなぐのではなく、「ぼくと|きみとでは|なにがちがう」のように、区切る部分は軽く息を止めるイメージで歌ってみましょう。
この「切る」と「つなげる」のバランスを意識するだけで、自然な抑揚が生まれ、語りかけているような雰囲気が出ます。

エッジボイスを活用して切なさを演出する

「でもね、僕は何かに怯えている」のフレーズでは、ささやくように優しく歌います。
ここでプロっぽさを出すために取り入れたいのが、エッジボイスというテクニックです。

エッジボイスとは、声の出だしに「あ゛」というような、軽くガラガラとした引っかかりを作る発声法です。
「怯えている」の「び」に軽くエッジボイスをかけることで、声にほんのりと切なさが生まれ、原曲の感情豊かな表現に近づきます。


【A’メロ】リズムとアクセントの付け方

曲が少しずつ展開していくAメロ後半からBメロにかけては、前半とはリズムの取り方を変えていきます。
ドラムが入ってくるので、伴奏をよく聞いて歌いましょう。

リズムを感じながら歌おう

「がむしゃらに生きて誰が笑う?」というフレーズは、音の動きが細かく圧縮されているため、非常にリズムが取りづらい箇所です。

リズムが早くなってしまうポイントなので、少し待ってから発音するとちょうどよくなるでしょう。

裏声
ミックス
アクセント
ウィスパー
⤴しゃくり
⤵フォール
/区切り

がむしゃらにい⤵きて/だれがわらう〰
かなしみきる⤵には/はやすぎる

強さと弱さのギャップをつくる

裏声
ミックス
アクセント
ウィスパー
⤴しゃくり
⤵フォール
/区切り

いつもぼくはじぶんに/いきか⤴
あしたも/あるし

「いつも僕は自分に言い聞かせる」の部分は、声量が一段階上がり、盛り上がりたくなるところですが、決して叫んではいけません。

ここは一本調子で歌うのではなく、「僕は」の部分で一気に力を抜いて弱い裏声に切り替えます。
強い声から急に裏声に切り替わるギャップを強調するのがコツです。「自分に」からは地声に戻りましょう。
「言い聞かせる」は少ししゃくる(音を下から上にすくう)イメージを持つと、原曲のカッコいいニュアンスを再現できます。
その後の「明日もあるしね。」は、再び力を抜いて優しく着地してみましょう。


【Bメロ】行進曲のようなノリをつかむ

一気に声が高くなるのがBメロです。曲の雰囲気もガラっと変わって、雰囲気に引き込まれる部分です。

またポップスでは珍しいマーチング(行進曲)のスネアになるので、リズムが取りづらいかもしれません。
その場で歩くように、右足、左足を交互に足踏みしてみると均等にリズムが取れますよ。

裏声は息漏れを意識して優しく入る

裏声
ミックス
アクセント
ウィスパー
⤴しゃくり
⤵フォール
/区切り

ああ なんてすてきな⤴

サビの頭「ああ なんて素敵な日だ」は、力強く張り上げるのではなく、裏声で入ります。

「あー」とはっきり声を出すのではなく、「はんはー」と息を多めに混ぜた裏声(ファルセット)を使うのがポイントです。
あごの力を抜き、声が頭の上からスッと抜けていくイメージを持つと、ミセス特有の美しい高音に近づきます。
歌う前に、あごや舌を動かすストレッチをしておくのも効果的ですね。

エッジボイスを使うのがポイント

裏声
ミックス
アクセント
ウィスパー
⤴しゃくり
⤵フォール
/区切り

あわせとおもえるきょうも
めやぶれくじけるきょうも⤴ 

続く「幸せと思える今日も」では、一番最初の音をエッジボイスで始めます。「あ゛」のような濁った音です。
「今日も」の「きょ」の部分で裏声に切り替えますが、「う」(実際は「お」と発音)からは地声に戻すようにすると、より原曲の雰囲気に寄っていきます。

裏声
ミックス
アクセント
ウィスパー
⤴しゃくり
⤵フォール
/区切り

/きらめもがいている
せまいひろいせかいきせきをうたう

【サビ】いっそ裏声がメインだと考える

この曲の最大の難所であり、最も見せ場となるのがサビです。
地声、裏声、ミックスボイスが入り乱れるため、焦らずに一つひとつの声をコントロールしていきましょう。

原曲は力強く歌っているように聞こえるので、地声で叫びたくなりますが、
ミセスの雰囲気から離れてしまうだけでなく、喉にも悪影響を与えるので、「裏声がメイン」だと思いましょう。

実際に、ボーカルを聞くと裏声を使っている割合が多いのですが、
重なっている「ユニゾン」や「ハモり」が地声なので、力強く、重厚に聞こえるのかもしれませんね。

いきなり曲に合わせて歌うのではなく、アカペラで練習するのも一つの方法です!

ミックスボイスができなくても大丈夫

ここでは地声(チェスト)裏声(ヘッド)に加えてミックスを使うのですが、ミックスボイスを習得していない方でも大丈夫です。
裏声で歌ってもさほど大きな違和感にはなりません。ですから、ミックスに指定した部分は裏声で代用してみましょう。

裏声
ミックス
アクセント
ウィスパー
⤴しゃくり
⤵フォール
/区切り

ぼくらはっている そらへのとびかたも⤵

おとになる⤵につ⤵わすれる

「僕らは知っている / 空への飛び方も」からは、さらに高い音域に突入します。

ここは地声から裏声、そしてミックスボイスへの切り替えが非常に忙しいパートです。
高い音を地声のまま出そうとすると喉を痛める原因になるため、少しでも苦しいと感じたら、早めに裏声へ切り替えてしまって構いません。

要点:地声にこだわりすぎないこと。自分が一番安定して綺麗な声を出せる方法(裏声)を選ぶのが、曲全体のクオリティを上げる近道です。

【ラスト】最後まで丁寧に言葉を置く

裏声
ミックス
アクセント
ウィスパー
⤴しゃくり
⤵フォール
/区切り

かぎりある えいえんも なおりきらないきず〰
すべて⤵ぼく⤴のこと きょうというぼくのこと

曲のクライマックスからラストにかけても、気を抜かずにコントロールを続けます。
「傷も」のフレーズは上方向へ優しく抜くような裏声へとつなげ、可能であれば軽くビブラートをかけて終わると非常に美しくまとまります。
この、最高音に達する部分は、声を前に押し出すのではなく、完全に後頭部の方向へ抜くイメージを持ちましょう。

最後の「全て僕のこと / 今日という僕のこと」というフレーズは、細かくブレス(息継ぎ)を入れると声が安定します。

ここでも、地声で押し切ろうとせずに、裏声を使って丁寧に終わらせる方が、聴き手には心地よく届きます。
裏声は息を沢山消費するので、音を長く伸ばし過ぎず、フレーズに隙間をつくってブレスを多めに取りましょう。


まとめ:自分らしい「僕のこと」を

Mrs. GREEN APPLEの『僕のこと』を歌いこなすためのポイントをまとめます。

  • 自分に合ったキーに設定し、行進曲のリズムを意識する
  • 息を吸いすぎず、あごを柔らかく保つことで高音の抜けを良くする
  • エッジボイスを活用し、鋭い裏声を作る
  • サビは裏声をメインに使い、ブレスを細かく取る

音域が広く、テクニックも多く求められる非常に難しい曲ですが、これらのポイントを一つずつ意識するだけで、歌の安定感は劇的に変わります。
最初から完璧を目指すのではなく、まずはリラックスして、メロディーの美しさを楽しみながら歌ってみてください。

「自分一人ではエッジボイスやミックスボイスの感覚が掴めない」「リズムが合っているかプロに見てほしい」と感じたときは、ぜひクラッチのボイトレを受けてみてくださいね😊

あなたの声質や現在のレベルに合わせたアプローチで、憧れの曲を歌いこなすためのサポートをさせていただきます。

地道な練習の先にある、気持ちよく歌い上げられたときの感動を、ぜひ一緒に味わいましょう📝

ありがとうございました。

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